ジュノ

 

2007年アメリカで公開された作品です。

 

JUNO/ジュノ (字幕版)

 

ざっくしあらすじ

ポリタンクでオレンジジュースを飲み、3回目の妊娠検査薬ではっきりとした「+」が出てたことにより16歳のジュノは妊娠を確信します。相手は仲の良いボーイフレンドのポーリー。予想外の妊娠に多少狼狽したもののすぐに中絶を選択、親の同意なく処置することができるクリニックに予約を入れます。しかし、いざクリニックへ足を踏み入れると、不潔で嫌な空気が漂う院内での処置が不安になり中絶することを諦め、産むことを決意。親友と両親の協力のもと、地元のフリーペーパーに掲載されていた里子募集の記事から、良さそうな夫婦を発見し、産まれてくる子供をその夫婦の元へ里子に出す計画を立てます。

 

監督は、「サンキュー・スモーキング」「マイレージ・マイライフ」のジェイソン・ライトマン。ご存知の方も多いと思いますが、お父さんは「ゴーストバスターズ」のアイヴァン・ライトマンです。彼も「ゴーストバスターズ2」に出演しています。

 

主なキャストは、個性的でユーモアのセンスが冴えているジュノ役に「ローラーガールズ・ダイアリー」「インセプション」などのエレン・ペイジ。この作品での演技が高く評価されオスカーにノミネートされました。エレンといえば、クアンティック・ドリーム社の「BEYOND:Two Souls」の主人公ジョディのモーションキャプチャーと声を担当していましたね。このゲームもとても面白かったです。

娘の妊娠と里子計画にあっけにとられてしまう父親マック役に「スパイダーマン」「セッション」などのJ・Kシモンズ。「セッション」での強烈な音楽教師役の印象が強いですが、今回は個性的で突拍子もない娘にあきれ返りつつも優しく見守る良き父親を熱演しています。

綺麗好きで几帳面な里親ヴァネッサ役に「パール・ハーバー」「キャッチミー・イフ・ユー・キャン」などのジェニファー・ガーナーベン・アフレックの元奥さんってことぐらいしか知らなかったのですが、「キャッチミー・イフ・ユー・キャン」に出てたんですね。見たはずなのに覚えてない(-_-;)

 

10代の妊娠がテーマなのですが、暗い要素は無く「そんなに楽しそうにしてていいの(;´Д`)」と思ってしまうぐらい明るくポップに進んでいきます。日本だとどうしても重たくなりがちなテーマなのですが、お国柄でしょうか雰囲気は真逆です(笑)。

 

凄いなと思ったのが、フリーペーパーに里子募集の記事があること!日本じゃ考えられないですよね、なんせペットのように募集するんですから。道徳に反するような気もするのですが、生んで育てられず育児放棄してしまうよりはいいのかなぁとも思いましたが、やっぱりちょっと受け付けられないですよね(笑)。

 

あと、このジュノは学校も普通に通っちゃうんです。大きなお腹で、平然と。私が高校の時も在学中に妊娠してた子はいましたが、みんな退学処分になっていました。そういった意味では退学処分にはしない学校の器のデカさは素晴らしいなと思いました。確かに、学生でしかも10代の子供が妊娠というのはいただけないものがありますが、退学させてしまうのはその子の今後の将来の道を少なくしてしまうことになるので、私としては本人が卒業したい意思があるのであれば通わせてあげたらいいのになと思っていました。

 

でも、勘違いしてほしくないのが、この作品のように10代の出産が上手くいくと思ってほしくないところです。とても明るくて楽しい映画なので、「10代で出産しても上手くいくんだな」と錯覚してしまいそうになりますが、現実はこんなにスムーズにいくはずがありません。なので、まだ学校に通っているような学生(大学生も含む)の方は全てを真に受けずに観てほしいですね。ファンタジー作品を観ているんだぐらいの感覚で観てほしいです。それぐらいこの作品には現実味はないです。

 

ただ、映画としてはとても面白いですし、ジュノの考え方がとてもユニークで賢いので観ていて憂鬱になることもなく、すっきりとします。産んでから「やっぱり自分で育てたい!」なんてことも言いださないところが特に好きです。(日本だとそういうのありがちでげんなりするのです)我が子に対する考え方がドライ過ぎない?と言われてしまいそうですが、考えているからこそできる対応なのだと私は思います。中途半端な愛情が一番人を苦しめますからね。

 

重たいテーマをコメディで描いている作品なので、真面目な人には受け付けられないかもしれないですが、何も考えずに観れるので結構お勧めです。深く考えるとこもないですし、ハッピーエンドなので。しかも97分とちょうどいい時間(笑)。ちょっと何か観たいなと思った時に最適です。

 

是非是非!