オン・ザ・ミルキーロード

2016年のセルビア映画です。

 

オン・ザ・ミルキー・ロード(字幕版)

 

ざっくしあらすじ

動物が大好きなコスタ。動物たちもコスタのことが大好きで彼の肩には常に相棒のハヤブサのリュビッツァが止まっています。そんなコスタの国は隣国と戦争真っ最中。そのため彼は、前線にいる兵士たちにロバのトニーに乗ってミルクを届ける仕事をしています。コスタの雇い主の娘ミレナは美人で運動神経抜群(2階の窓から宙返りをしてコスタの肩に着地したりします!)、村の男性たちにも人気がありました。そんなミレナはコスタに想いを寄せており、戦争が終わり戻ってきた兄ジャガが結婚式を挙げる際に自分もコスタとの挙式を計画します。しばらくして休戦協定が結ばれ、村は平和の訪れに大賑わい。挙式準備も着々と進められていましたが、兄ジャガの花嫁を愛していた多国籍軍の将校が、花嫁を連れ去るため村を火の海にしてしまいます。間一髪で生き残ったコスタと花嫁は逃げざるを得なくなります。

 

監督は、「アンダーグラウンド」「黒猫・白猫」「アリゾナドリーム」などのエミール・クリストリッツァ。今回は、監督・出演も果たしています。カンヌ・ベネチア・ベルリン、この三つの映画祭全てで受賞をしており、カンヌ国際映画祭最高賞のパルム・ドールは2度も受賞している腕のある監督です。

 

キャストは、美しい花嫁役に「マトリックスリローデッドマトリックスレヴォリューション」「007 スペクター」などのモニカ・ベルッチ。元々は弁護士を目指しており、学費を稼ぐためにモデルを始めたことがきっかけで女優になったそうです。イタリア語・フランス語・英語・ペルシャ語も話せます。頭が良くて美人って最強ですね(笑)「007 スペクター」の時のボンドガールも素敵でしたよね。グラマラスな方で細過ぎないラインが綺麗です、私は彼女のどっしりとしたお尻がとても好きです(笑)

 

アンダーワールド」「ライフ・イズ・ミラクル」もそうでしたが、今回の作品もベースに「戦争」があります。ボスニア紛争を経験した監督だからこそあえてこのベースにしていると思うのですが、監督の描く戦争はポップなんです。曲調は明るいけれど、歌詞は凄く悲しいって感じです。今回の作品も、のどかでのんびりした田舎風景がとても綺麗な中で弾丸がビュンビュン飛んでいて、そこに住んでいる村人たちも呑気な人たちが多くてかなりギャップがあります。ロべルト・ベニーニ監督の「ライフ・イズ・ビューティフル」に若干雰囲気が似ている感じがします。

 

動物たちも大活躍しており、ハヤブサ・ロバ・アヒル・ヘビ・ヤギ・クマなどが名演技を披露しており、特に相棒のハヤブサのリュビッツァくんは音楽に合わせて首を振ったり、コスタがピンチになった時には助けてくれたりします。ロバくんもなかなかいい演技をしていて、ロバのトミーくんが死んでしまうシーンは思わず涙してしまいました。動物が死んでしまうシーンはどうしても涙腺が緩んでしまいます(ノД`)・゜・。

あと、凄かったのがクマ!この作品を観るきっかけになったのが、予告でコスタがクマに口移しでオレンジをあげているシーン。このシーンはやっぱり強烈でしたね、どんなホラーやサスペンスの予告より驚きました(笑)。普通頭ごとパクっと食べられちゃいそうなのに…(;´Д`)監督曰く、ちゃんとお腹いっぱいにさせてあげて、常日頃から信頼関係をしっかり築いていれば問題ないそうです。本当かよ(-_-;)

 

あと、神話っぽい印象もあり、コスタとヘビの関係は特に神話っぽい印象を受けました。しゃべりはしないですが、行動や目でコスタに何かを伝えているというのが観ている側にも分かるってところも神話っぽい印象を強くさせていました。

 

動物や呑気な人々、陽気な音楽、となんだか童話のような世界観でありながら、戦争の悲惨さや残酷さなどもベロっと見せてくるこの対比が独特で、展開も結構ぶっ飛んでいて「???」となってしまう時も正直あります。なので、もしかしたら好き嫌いが分かれるかもしれません。ですが、動物だけでも観る価値があるので、動物好きな人は観て損はないです。

 

ハリウッド映画ばかりが大きく宣伝されるので、こういった作品に触れる機会って映画が好きな人以外あまりないですよね。レンタルショップでも置いてなかったりするのが多いです。確かに、ハリウッド系作品って楽しいですよね。私も大好きで、沢山観ます。でも、たまには普段馴染みがない国で作られた不思議な作品やとても古い時代の作品を観てみるのもなかなか面白いものですよ。

 

是非是非!