セクレタリアト/奇跡のサラブレッド

2010年アメリカで公開された作品です。

 

セクレタリアト/奇跡のサラブレッド (字幕版)

 

ざっくしあらすじ

1970年3月30日、バージニア州最大規模の牧場メドウ・ステーブルに1頭の赤毛の子馬が産まれました。名をセクレタリアト命名されます。このメドウ・ステーブルは弁護士の妻で何一つ不自由なく過ごしてきたペニー・チェナリーが父の跡を継ぎ、手探りながらも経営を始めたばかり。しかも男社会の競馬世界で女性が戦っていくのは容易ではありませんでしたが、粘り強さと持ち前のタフさでドンドンと道を切り開いてゆきます。代表のペニーに似たのかセクレタリアトも規格外の走りを見せ、世間を驚かせる名馬に成長します。そんなセクレタリアトとペニーとその仲間たちは、アメリカクラシック3冠全制覇に向け走り始めます。

 

監督は、「パール・ハーバー」「ワンス・アンド・フォー・エバー」などを手がけた、ランダル・ウォレス

 

キャストは、肝の据わったセレブ専業主婦オーナー、ペニー・チェナリー役に「運命の女」「ストリート・オブ・ファイヤー」などのダイアン・レイン。幼いころから舞台を踏んでおり、コッポラの作品に多数出演していましたがあまりパッとせず映画からは一旦距離を置き、2002年の「運命の女」まで苦い低迷期を経験している苦労人です。今作品ではブロンドヘアで出演していますが、やっぱりブルネットヘアの方が好みです。

破天荒で気の荒い調教師ルシアン・ローリン役に「キリング・フィールド」「マルコヴィッチの穴」などのジョン・マルコヴィッチ。個性派俳優として有名な彼にピッタリなキャラクターで、今作のいいアクセントになっていました。

 

実在した最強馬セクレタリアトの映画なのですが、競馬ファンなら常識というぐらい有名な馬ですが、そうでもない人にはあまり聞きなれない名ですよね。なのでちょろっと彼について紹介します。

 

小さな頃は特に大きな期待もかけられてはいなかったようですが、調教師のルシアンに出合い鍛えられたおかげで才能を開花させました。デビュー戦はスタートの出遅れが原因で負けてしまいますが、その後のレースは6馬身差で圧勝しドンドン白星を増やします。もっとも有名なのは1973年のベルモントステークスでのレースで、逃げの戦法でレースを開始し、周囲は途中で力尽きてしまうのでは?と心配になりますがその心配は無用に終わります。なんと、2着の馬に31馬身差‼をつけて見事ゴールイン。タイムは2分42秒0のレコード記録を叩き出し、今現在もこの記録は破られていません。

そんな彼は大変よく食べる子だったようで、レース前でも厩務員が引くほど食べていたようです。性格は穏やかで調教時やレース以外は食べているか、寝ているかのどちらかだったので、その様子から「のんびり屋」とも呼ばれていました。可愛いですね。頭も良く、カメラを向けるとちゃんと決めポーズをとっていたようです。

体も大きく、心臓の重さが10㎏(平均は4㎏)もあり、病気もしていなかったようです。(死因は蹄葉炎なので、内臓疾患ではありませんでした。)

ちなみに、「事務局」の意味を持つこの名前の由来は、牧場の事務を一手に引き受けていたエリザベス・ハムに敬意を表しつけられた名とのことです。

 

配給元がディズニーなので、もっとファンタスティックなものになるかな?と思ったのですが、意外や意外ディズニー感0の作品でした。拍子抜け(笑)

 

同じような競走馬を題材にした「シービスケット」もありますが、あの作品はジョッキーに焦点を当てたものでしたが、今回はオーナーブリーダーに焦点を当てているので、競馬の裏側も観ることができます。「競馬=金」と言っていいほどお金がかかるものです。今作品でも、主人公のペニーは常にお金に頭を抱えています。

 

少し残念なのは、セクレタリアトの出番があまりないところです。私、ペンギンの次に馬が大好きなのです。なので、この作品を観るときも「ディズニーだし、動物ものだし、馬出るし、最高じゃん?楽しみ(*'▽')」なテンションで観てしまったので、正直がっかりでした。セクレタリアト超可愛いのにあんまり出てこない(ノД`)

 

女性のサクセスストーリーものが観たい方には大変お勧めできるのですが、私のように馬が観たい!馬が好き!という方にはあまりお勧めできません。見るなら「レーシング・ストライプス」の方がお勧めです。ただ、レースシーンは迫力がありましたし、競馬にかける人たちの見えない努力や熱意、馬に対する愛情など普段知ることができない部分を知ることができるので、そういったところはとてもよかったです。

 

是非是非!