タクシードライバー

1976年公開の作品です。

 

タクシードライバー (字幕版)

 

ざっくしあらすじ

タクシードライバーのトラヴィス不眠症を患っているベトナム戦争の帰還兵。人と接することが苦手なトラヴィスは、ドラッグや売春など堕落した若者たちの姿を見るのが最近の嫌なことの一つでもありました。嫌なことと言えば、上院議員事務所に勤めているベッツィーをデートに誘ったはいいものの上手くいかずに「殺してやる!」と罵ってしまうなど散々な日々。そんな中、売春で生計を立てている少女アイリスとひょんなことから出会い、トラヴィスは売春をやめるよう説得しますが、アイリスは聞く耳を持たず逆にトラヴィスをあざ笑います。持病の不眠症も手伝いトラヴィスの精神状態は悪化の一途を辿り、遂にトラヴィスは危険な行動を実行してゆくのでした。

 

監督は、「レイジング・ブル」「グッドフェローズ」「ディパーテッド」などのマーティン・スコセッシ。主演は、「ゴッドファーザーPARTⅡ」「ディア・ハンター」などのロバート・デ・ニーロ。アイリス役にはまだ幼いジョディ・フォスターがキャスティングされています。

 

ずっと、トラヴィスのモヒカンは本当に剃ったものだと思ってたんですけど、実際はカツラなんですってね。びっくりしました、凄いですよね良く出来ている。デニーロの事だから髪ぐらい剃るだろうと思っていたのでそこは剃らんのかい⁉って思いました(笑)

 

当時13歳だったジョディの美少女っぷりも凄まじいですよね。目を引くとは正にこのことか!と思いました。あと、ものすごく下らないのですが、劇中でトラヴィスとアイリスがダイナーで食事とるシーンでアイリスがトーストにバターとブルーベリージャムを塗るまでは何も感じなかったのですが、ジャムを塗った後に砂糖までかけていたのには目が離せませんでした。あの食べ方はアメリカでは普通なのでしょうか?それとも、アイリスの生活状況を鑑みた演出としてあの食べ方になったのでしょうか?下らないこととは承知なのですが、未だに気になるシーンの一つです。

 

そういえば、2019年10月4日に公開された「JOKER」のレビューでこの「タクシードライバー」を引き合いに出される方を多く見かけました。主人公が病んでいてニューヨークが舞台(ゴッサムシティはニューヨークがモデル)、ロバート・デ・ニーロが出ていて、社会に受け入れられないキャラクターという点は確かに同じですね。

 

ただ、私は「JOKER」を鑑賞して「タクシードライバー」を連想させることは全くなかったです。理由は、トラヴィスは自身の中にある確固たる「正義」があり、その「正義」が歪められていく社会に対しての怒りや不満を爆発させてしまうのに対し、「JOKER」は自身の存在が社会から抹殺されている状況や不遇で凶悪な境遇が狂気に成長しているように思えたので、私は「タクシードライバー」と「JOKER」が似ているとは考えつきませんでした。でも、世間の人々は「JOKER」を観てパッと「タクシードライバー」を連想させることができるんだから凄いですなぁ(´▽`)。私は「JOKER」のレビューや記事を読んで初めて気づきました(笑)。

 

あと、この「タクシードライバー」って鑑賞後スッキリとした気持ちになるんですよね。私刑を下すという状況は良いものとは言えないのですが、アイリスが健康的な道へと戻っていったという点がきっと私にスッキリ感を与えてくれていると思うのですが、その他にも事件後有名になったトラヴィスに対し、ちょっといい顔をしてきたベッツィーをあしらうところもスッキリ度高めです(笑)。

 

社会の闇を描いている作品なので、凄く楽しい気分にはならないですが私のようにスッキリした気分になる方もいると思うので、是非怖いもの見たさで鑑賞してみるのも良いかと思われます。

 

是非是非!