ポーリー

 

1998年公開の作品です。

 

ポーリー [DVD]

 

ざっくしあらすじ
言葉が上手く話せない少女マリー。そんな彼女のもとに一羽のトガリオインコがやってきました。名は「ポーリー」ポーリーは上手く話せないマリーを不憫に思い、自らマリーの言葉の先生になるべく、人間の言葉を理解し話すことのできる不思議なオウムへと成長を遂げます。しかし、そんな不思議なオウムのポーリーとしか遊ばないマリーを心配した家族はポーリーを遠くへと追いやってしまいます。離れる間際、マリーはポーリーに叫びます「必ず飛んで帰ってきて!」


動物好き、特に鳥好きにはたまらない作品です。涙がちょちょ切れます、動物作品の中で私的には上位に入る作品です。この主役のポーリーが本当に賢くて可愛らしくて優しい良い鳥なんです。インコなんで羽の色も綺麗で美しいのがまたいいですよね。撮影はアニマトロニクスを駆使しており、本物そっくりで躍動感のある動きが素晴らしかったです。このアニマトロニクスを担当したのは「ジュラシック・パーク」のスタン・ウィンストンということなので、悪いはずがないですよね。

  

ストーリーも子供も分かるような流れなので疲れることはないのですが、これが侮るなかれ結構奥深いといいますか、泣けるんですよね。初っ端からポーリーは人間の都合で遠くへ追いやられてしまうのですが、もうここから心にグサッときます。可愛いからという理由で簡単に動物をペットとして迎え入れ、都合が悪くなったら何処かへ捨てる…。「動物だから野生の感覚で自分でエサ探せるだろうし、大丈夫でしょう。」と軽く考える輩が多いこと。このシーンは、そんな輩とは若干違う理由ですが、やっている行為は同じで、観ていて嫌悪感が大きかったです。嫌だわ!

 

 

このポーリーはユニークなキャラクター設定がされていまして「鳥なのに飛べない」という特徴がありました。そんなポーリーは、遠い地で沢山の人間たちと出会っていくのですが、この流れが非常に良かったです。まず、親切でアクティブなおばあちゃんと出会い、飛べないポーリーは離れ離れになってしまったマリーに会いたいことをおばあちゃんに話します。するとおばあちゃんは自らトレーラーを運転しマリーの所へポーリーと一緒に旅に出てくれます。しかし、老いには勝てずおばあちゃんは病気で失明。ポーリーはおばあちゃんの元を離れることができたのですが、あえて彼はおばあちゃんのもとを離れず、おばあちゃんの手助けをすることを選びます。そして、とうとうおばあちゃんの命が尽きてしまった時、飛ぶことに恐怖があったポーリーですが勇気を出して飛ぶことに挑戦し、見事飛び立つことができたシーンは涙無くしては見れませんでした。結構なガチ泣きです。

 

 

この後にも、不法移民のメキシコ人たちと楽しくワイワイ過ごすのですが、心無い人間の通報により居場所をなくしてしまったり、人間の言葉を理解し話すスーパーインコのポーリーは研究の対象になってしまい、研究施設へ隔離されてしまいます。人間への不信感で心がいっぱいになってしまったポーリーは悪態を吐きまくり、手に負えない鳥となってしまいますが、この研究施設の清掃員との交流により徐々にポーリーの心が溶けていきます。この清掃員とのやりとりも面白くていい場面でした。

 

 

鑑賞する前は「きっとドクター・ドリトル的な楽しいキッズアニマルムービーだ!」と思って、ノリノリで観始めたんですがそのテンションは一気に覆されました。めっちゃ感動作やん?ええやん?泣いちゃうやん?てな具合で、いい意味で裏切られました(笑)。アカデミー賞受賞作ー!とか、名優〇〇主演!とかそういった派手に名作でーす!と宣伝されている作品ももちろん大好きですし沢山観ますが、こういったレンタル店の隅に置かれているキッズ向けな作品もなかなか捨てがたいものが結構あるので(「シャーロットのおくりもの」「イルカと少年」もいい作品でした)ギスギスしていて、なかなか人に優しくなれない時は是非こういったクリープのような動物作品で心をマイルドにすることをお勧めします。

 

是非是非!