スモーク

1995年公開のアメリカ・日本・ドイツ合作の作品です。

 

スモーク(字幕版)

 

 

ざっくしあらすじ

ブルックリンの街角にあるタバコ屋の店主オーギー・レンは妻になるはずだった恋人に裏切られて以来独身を貫いており、ある出来事がきっかけで毎朝8時になると同じ場所の写真を撮ることを日課にしている。そんなオーギーが営むタバコ屋の常連客で友人のポール・ベンジャミンは小説家だが、銀行強盗に妻を射殺された悲しみから思うように筆が進まなくなっていた。ある日ぼんやりして車に轢かれそうになったポールを助けたトーマス・コールは、地元のギャングが落とした大金を拾ってしまったが故に各地を転々とする生活を送っていた。

 

キャストは、口の悪いタバコ屋のオーギー・レン役に、長ーい下積みと苦く辛い低迷期を味わった俳優ハーヴェイ・カイテル。いつもTシャツの胸元が汗ジミしている辛い過去を持つ小説家ポール・ベンジャミン役にウィリアム・ハート。大金拾ってえらいこっちゃな青年トーマス・コール役にハロルド・ペリノー・ジュニア。この他に、トーマスの父親役に私が好きな俳優フォレスト・ウィテカーがキャスティングされています。

 

私が唯一所持しているDVDなのですが、本当にいい作品だなーとしみじみ思います。あからさまな感動の押し売りではないのが良きですね。真実は大事なことですが、この作品を観ると真実とか嘘とかは問題じゃないのかな?という気持ちにさせてくれます。

 

この作品に出て来る人物たちはみんな何かが欠けている人たちで、オーギーは恋人、オーギーの元恋人のルビーは片目、ポールは妊娠中だった妻、トーマスは両親、トーマスの父は片腕。と、みんな何かが欠けていて、みんな寂しい。けれど、映画でよくありがちな前を向く的な派手な動きは無く、淡々と渋々と生きていくこのキャラクターたちが妙にリアルだったのも印象的でした。あと、タイトル通り「スモーク」とあるだけあって、みんなずーっとタバコをふかしているのも記憶に残りますね。私はタバコを吸えないのでこういった作品で美味しそうにタバコをふかしているのを観ると少し羨ましく感じます。

 

ラストにオーギーが日課になった写真のきっかけをポールに話すシーンがあるのですが、この話がとってもいいんですよね。嘘って悪いイメージがありますけど、この話を聞くと嘘も方便ってホントよね~としみじみしちゃいます。素敵な嘘もあるもんですね。大好きなシーンです。劇中での季節は大半が夏なので、めちゃくちゃみんな暑そうで汗かきっぱなしなんですが、ラストシーンの影響か何故かこの寒い季節に観たくなる作品なんです。

 

是非是非!