アザーズ

2001年スペイン・フランス・アメリカ合作の作品です。

 

アザーズ [DVD]

 

ざっくしあらすじ

チャネル諸島ジャージー州。第二次世界大戦後、夫の帰りを待ち続けるグレースと娘のアン、息子のニコラス。3人は大きな屋敷で使用人不在の中ひっそりと暮らしていました。そこへ、3人の使用人が屋敷へ訪れます。その3人にグレースは屋敷での注意事項を話します。日光の光に弱い色素性乾皮症を患う娘と息子がいるためカーテンは絶対に開けないこと、部屋を移動するときは鍵を必ずかけること。この注意事項に不思議な顔をしながらも使用人3人は承諾します。しかし、この使用人たちが訪れてからというもの、屋敷では不可解な出来事が頻発。口酸っぱく言っていたにも関わらず、カーテンが全て取り外されていたり、物音や見知らぬ子供の泣き声などが聞こえるようになったため、グレースは神父を探しに村へ向かいます。その途中で出征したまま連絡が途絶えていた夫と遭遇し、そのまま屋敷へ戻りますが、翌日夫は忽然と姿を消してしまいました。何かかおかしいと気づき始めたグレースは驚愕の真実へ向き合い始めます。

 

監督は、「バニラ・スカイ」の元になった「オープン・ユア・アイズ」のアレハンドロ・アメナーバル。今作は、トム・クルーズが製作総指揮で参加しています。

完璧主義で神経質なグレース役に「誘う女」「アイズ・ワイド・シャット」「めぐりあう時間たち」のニコール・キッドマン。グレースのように厳しく、神経質な役が見事にハマっていました。

 

海外ホラーでは珍しくスプラッターな表現が一切無く、和製ホラーのような薄暗く精神的にくる感じの演出をしているのが斬新でしたね。特に、物置として使用している部屋でグレースがシーツを剥ぎ取っていくシーンは素晴らしかったです。あと、子供たちが色素性乾皮症という設定も良かったですよね。昼間なのに薄暗いと不自然になるところを見事クリアしていました。

 

私はニコール主演の作品の中でこの作品が一番好きです。若干充血している疲れ目の感じや、クラシカルで落ち着いたスーツは本当に素敵でした。ストーリーや世界観もドンピシャで大好きです。ミステリーの要素も入っている脚本なので、グレースと一緒になって謎を解いてく感じや、ホラーの展開もしっかり入っているのでダレるところが全くなかったのもよかったです。

 

単純な私は悪霊を退治するには一体どうしたらよいかとずっと考えていたのですが、あっさり裏切られましたね。監督の思うつぼでした(笑)。私的には大どんでん返しな展開だったので、観た当時は非常に心躍りました。

 

シックス・センス」も最後はどんでん返されましたが、「シックス・センス」とはまた違った世界観ですし、作中では終始霧がかっているので、夢の中にいるような幻想的な雰囲気がまた不安で不気味な印象を与えてくれます。

 

たった一人、現実を受け止められず困惑しっぱなしのグレースに対し、使用人たちが徐々に徐々に真実を知らせていく過程にゾクゾクが止まらなかったです。パンドラの箱を開けるときってきっとこんな感情なんだろうなと思いました。恐怖と真実を知りたい気持ちと不安が入り混じった、みぞおちがグッと底上げされるような感覚でしたね。

 

今日のように、悪天候で部屋が薄暗いような日にはもってこいの作品になっていると思います。作中と同じような薄暗い中で観ることをお勧めします!

 

是非是非!