マザー!

 

2017年アメリカで公開された作品です。

 

マザー! (字幕版)

 

ざっくしあらすじ

周りに何もないド田舎の大きな一軒家に歳の離れた夫婦が住んでいました。夫は詩人でスランプ気味、妻はそんな夫を献身的に支えながら穏やかに暮らしていました。そんなある日、1人の男が夫婦の元に訪れます。妻はその男を怪しく思いますが、夫は快く迎え入れます。その男を向かい入れてから、穏やかな夫婦の生活は一変し、様々な来客が訪れ夫婦の生活を乱してゆきます。

 

監督は「レスラー」「ブラックスワン」などのダーレン・アロノフスキー。今作で主演を務めたジェニファー・ローレンスとは恋仲になりました。

 

出演は、夫のせいで家の中がめちゃくちゃ!誰が後片付けすると思ってんの⁈な妻役に「ハンガーゲーム」「世界にひとつのプレイブック」「レッドスパロウ」のジェニファー・ローレンス

スランプ気味…、だれかと話したい!刺激が欲しい!な夫役に「ノーカントリー」「007 スカイフォール」のハビエル・バルデム。顔の迫力も凄いですが、名前のインパクトも申し分ないですよね、呪文みたいだ(笑)。

そのほか、エド・ハリスミシェル・ファイファーが脇を固めています。

 

ジェニファー・ローレンスが主演でしかもスリラー系という情報のみで観たのですが、正直ちょっと話についていけませんでした(;'∀')

 

現代劇として観ていたので、中盤から「あ、なんか聖書?っぽいかなぁ~?」とはうっすらと思ったのですが、その考えを遮るようなハビエルの無神経な行動に腹が立って仕方がありませんでした。突然の来客を迎え入れて宿泊させたり、妻に何の一言もなくパーティー開いちゃうし、その客たちに家の中を壊されちゃうわでもうめちゃくちゃです。キーッ(`~´)!!普通なら、しかも自己主張がはっきりしているアメリカ人女性なら「もう、やってらんないわよ!出てくわ!」と叫んで家を出ていきそうなんですが、全く出ていくそぶりを見せないんです。

 

うむ、全く理解できない。お得意の「映画だから!(^_-)-☆」な割り切り方で強引に受け入れようと試みましたが、ちょっと無理でした(笑)。鑑賞後に特典として収録されていた監督の解説でやはり旧約聖書がベースということを知り、ようやく理解できなかった部分もかみ砕くことができました。聖書をベースに現代風にアレンジされているのであれば、何故?な部分も「聖書の世界だから」で消化することができました。

 

あと、作品の評価もチェックしてみましたが驚くほどの悪評でしたね。まぁ、これは仕方がない評価だと思うのですが、結構な方が「女性軽視」「女性差別」とのコメントをされていたのを見て「言われてみればそうかも」とやっと気づくぐらい鈍く、鑑賞中は全くそのような考えには至らなかったので、少し感心してしまいました。

 

でも、なんでもかんでも軽視だ!差別だ!と叫んでよいものか。少し違和感があります。確かにこの作品はジェニファー扮する妻を虐めすぎた感は否めないのですが、旧約聖書をベースとし現代劇に置き換えアレンジした作品、ということをあらかじめ観客に伝えてから物語を見せたらまた違った意見や考えが出てきたと思いますし、「夫婦」という「女」と「男」でキャラクターを動かしてしまったのが非難の的になりやすい要素だったかな?とも思いました。

 

ですが、このように宗教的な要素があるテーマはたぶん縛りや表現の仕方がとても難しいと思われますし、それに加えて非難されれるかもしれない要素を全て取り除いて描こうとすれば、かなり薄味のパンチの効いていない作品が出来上がってしまうことでしょう。結果的に、私はこの作品かなりパンチの効いた作品だと思いました。お国柄、旧約聖書などのものにはかなり疎いので、ストーリーや細かなポイントなど理解できない部分も多く、ストーリーの進み具合も強引すぎてついていくことができませんでしたが、記憶にはしっかり残りました。

 

途中で趣味の悪い演出がみられ、あまりいい気分にはなれませんがこれも旧約聖書がベースということを鑑みると、凄く気持ちの悪い演出ですが受け入れられなくもないかなと思います。「だからといって、こんな残酷な演出にしなくてもいいじゃないか!!」とお叱りの声も聞こえてきそうですが、それを言ったらスプラッター映画にもしっかり非難の声を上げるべきだと私は思います。

 

凄く面白いから絶対観てね!とは口が裂けても言えないですが、かなり攻めた作品で、悪評を恐れず果敢にクリエイトした心意気や熱意や努力がみられる映画です。そういった部分はとても素晴らしいことだと思いますし、認めてあげなければいけないところだと思います。批判を恐れて受け身な作品しか作らない・求めない人たちこそ少し改めるべきだと思います。良い部分もあれば、悪い部分もあります、平等な目をお持ちなら「良い部分」にもしっかり目を向けてほしいものです。