シカゴ

色々なミュージカル映画がありますが、ストーリー構成がミュージカルが苦手な人もすんなり入っていけるのではないでしょうか。

2002年アメリカで公開された作品です。

 

シカゴ(字幕版)

 

ざっくりあらすじ。

舞台は1920年代のシカゴ。この街で人気ダンサーになることを夢見ている、世間知らずなロキシーと地元で人気のダンサーヴェルマ。ロキシーは浮気相手を、ヴェルマは妹と夫を殺害しクック郡刑務所へ送られます。そこで、よーく喋る嘘八百弁護士ビリーが二人の弁護を担当。上手くロキシーを悲劇のヒロインに仕立て上げることに成功し、一躍人気者になったロキシー。ただ黙っていないのが世間からの注目を一身に浴びていたヴェルマ。再度自分がセンターへ返り咲くために、ロキシーにデュエットを組むことを提案しますが、天狗になったロキシーはこれを拒否‼バチバチと二人は火花を散らします。

 

監督は、ブロードウェイで振付師をしていたロブ・マーシャル。彼は自他ともに認めるボブ・フォシーの大ファンで、1975年に上演されたボブ・フォシー脚本のブロードウェイ版「シカゴ」を映画化する構想を練り、見事実現。舞台とはナンバーが少ないなど若干の違いはあるものの、それが功を奏したのかとても観やすくなっています。この作品のほかにも「SAYURI」「パイレーツオブカリビアン/生命の泉」のメガホンも取っています。

 

キャストは、「ブリジットジョーンズの日記」でもお馴染みのレネー・ゼルヴィガーがおつむの弱いロキシー役を、自信家で高飛車なヴェルマ役を「マスクオブゾロ」「ターミナル」「オーシャンズ12」などに出演している、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。ぺちゃくちゃ弁護士ビリー役には、「愛と青春の旅たち」のリチャードギアがキャスティングされています。

この他にも、クイーン・ラティファジョン・C・ライリー、ほんとチョイ役にルーシー・リューも出ています。

 

アカデミー賞では、作品賞、助演女優賞美術賞、衣装デザイン賞、音響賞、編集賞など数々の賞を総なめにし、キャサリン・ゼタ=ジョーンズは見事最優秀助演女優賞を受賞していましたね。レネー・ゼルヴィガーも惜しくも逃しましたが主演女優賞にノミネートされていました(この年のGG最優秀主演女優賞は受賞しています。)。リチャード・ギアもこの作品でGG最優秀男優賞を受賞しています。

ミュージカル作品でショーレースに入ることがなかなか難しいとされていた中での作品賞受賞は大変大きな話題となっていたのも記憶に残っています。

 

さて、この作品何故ミュージカルが苦手な人でもおすすめできるかというと、構成にあります。

 

ミュージカル嫌いな人が口を揃えて言うのが「いきなり歌いだすあの感じが無理、意味不明。死にそうな恋人を目の前にして歌うとか…、普通救助するじゃん。」てなことを言いますね。ファンタジー作品ともSF作品とも違う非現実な世界観がミュージカルにあるのは確かです。ですが、この「シカゴ」はいきなり歌いだすとか踊りだすって感じではなく、あくまでロキシーの妄想、頭の中での出来事としてミュージカルシーンが映し出される流れで、ちゃんとワンクッション置いてあるので安心して観ていただきたいです。

 

あと何といっても、キャサゼダの歌と踊りの達者なこと‼

元々ミュージカル上がりの役者で、「アニー」などにも出演していたそうです。だから、あれだけステップが踏めて踊れるのか…と納得しました。しかも、撮影中は妊娠していたそうで、確かに少しふっくらしてる?感じはありますが、私はあれぐらいのスタイルが一番好きです。現に、細すぎるより少しふっくらしていないとあの衣装は着こなせていないと思います。色気もムンムンですしね(笑)

リチャード・ギアもブロードウェイの舞台を踏んでいるだけあって、華麗なタップダンスシーンを披露しています。彼は後に、日本で製作公開された「シャルウィダンス?」のハリウッドリメイク版の主人公を熱演していました。

そしてこの中で唯一のミュージカル未経験者がなんと主演のレネーだったんですね。監督から話があったときはかなり腰が引けていたようです。そりゃそうですよね、他の2人は立派な経験があるのに自分はまったくの素人となれば弱腰にもなりますわな(-_-;)でも、そこはプロ!作中では歌も踊りも難なくクリアしており、運動神経抜群な彼女は結構アクロバティックなダンスも披露しちゃっています‼歌もあの可愛らしい声を生かした歌い方をしているので、ヴェルマの力強い女性像とは対照的なか弱い女性像をうまく表現していました。

 

衣装やセットもとてもおしゃれで洗練されており、変に目立ってしまいがちな網タイツもまるでストッキングのように全く浮くことがないスタイリングは素敵でした。ちなみに、DVDの完全生産限定版にはシステム手帳、パフューム・ボトル、シガレットケース、網タイツが同梱されていたようです。欲しい(*´Д`)

キャサゼダのサスーンカットも私の中では大ヒットでした、すぐ同じ髪型にカットしに美容室へ走りました(笑)

 

あと、ヴェルマがロキシーにゴマをするシーンで、ロキシーのファンからの差し入れを持っていくシーンがあるのですが、その品がサンフランシスコから届いたキャラメルクリームの入ったチョコレートで、ロキシーは一口も食べないですし、映るのもちらっとしか映らないのですが、このシーンを観るたびに「めちゃくちゃ美味しそうだなぁ(*´Д`)」と思ってしまいます。甘そうでくどそうで胸焼け必須だと思うのですが、食いしん坊の私はいつも食べたい衝動にかられます。

 

最近では、「ラ・ラ・ランド」「グレイティストショーマン」などの新しいタイプのミュージカル作品が登場しており、どの作品もとても感動的で素晴らしいものばかりですが、この「シカゴ」は何も考えなくても観れるし、飽きないし、テンポも良く、音楽も秀逸(ジャズ系の音楽が好きな人は特にお好きかもしれません)なのでリラックスタイムのひと時にはピッタリの作品だと思います。

 

是非是非!